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マーケティングとは何でしょうか?
ピーター・F・ドラッカーが、「企業の活動とは、つきつめればイノベーションとマーケティングである」と語りました。
かつて日本企業は、「モノづくり」に長け、よりよい商品創造にすべてをかけ、工業立国日本を築き上げました。しかし、度重なるバブル(不動産バブル、ITバブル、金融バブル)の崩壊は、このイノベーションとマーケティングのアンバランス、極端なマーケティング手法による非マーケティングがもたらしたといっても過言ではないと思います。
そもそも、マーケティングについての確固たるセオリーがあるわけでもありません。時代時代において、業種において、それぞれの手法が伝統的にとられてきました。
私自身、マーケティングとは何かの問いに、いまだ確固とした定義に出会ったことはなく、年々広範囲で総花的な定義に触れることが多くなりました。
実際、アメリカマーケティング協会での定義が約20年ぶりに 「マーケティングとは,顧客を創造し,伝達するため,そして組織とその利害関係者(顧客,株主,債権者,従業員,経営者,取引先,行政機関)に便益を与えるような方法で顧客関係を確立するための1つの組織機能であり,一連の過程である。」と再定義されました。
日本でも、コトラーが「マーケティングとは,価値を創造し,提供し,他の人々と交換することを通じて,個人や組織が必要(ニーズ)とし欲求(ウォンツ)を満たすことを意図する社会的,経営的活動である」(『マーケティング原理』 フィップ・コトラー,ゲイリー・アームストロング著,ダイヤモンド社刊)と定義した影響もあり、「商品・サービスの販売におけるすべての活動」といったような定義を見ることのほうが多く、極端なケースだと、企業が利潤を追求する際に行うすべての活動といった定義すら存在します。もはや、マーケティングの意味づけが企業において経営全般へと遠のく気配すら感じられます。
このように、マーケティング=経営戦略とするならば、世のマーケティング担当者はすべて経営戦略を担っていることになります。しかし、実際の業務内容は、単なるプロモーション担当であったり、営業の進捗管理であったり、上記の定義とは程遠い現状すらあります。
よく「うちにはマーケティングがない」という声を聞きます。
これはどういう意味でしょうか?会社が成り立っているのですから、営業はあるはずです。しかしマーケティングがない・・・。これはほとんどが、「戦略がない」という意味ではないでしょうか。
つまり、マーケティングの定義の曖昧さと、マーケティング担当の現状の仕事とのギャップがこうした声を生み出しているといえるかもしれません。
さらに、ドラッカーは 「マーケティングの究極の目標は,セリング(売り込み)を不要にすることだ」(『マネジメント〈エッセンシャル版〉』 P.F.ドラッカー著,ダイヤモンド社)として、「マーケティングと販売は反立する」とも言っています。
マーケティングの役割とは、絶えず現状のターゲティング、ポジショニングを見直しながら、営業戦略、プロモーション戦略、チャネル戦略、コミュニケーション戦略などを、市場に対するイノベーティブな仕掛けとして実施・遂行していくこと。
決して、マーケティングは営業の補完機能ではありません。企業が出す成果はマーケティングが握っています。
Netの発達によって、イメージやコンセプトはユーザーが作る時代になりました。メーカー側が訴求したコンセプトや差別化ポイントは往々にして、当初とは違う反響になります。消費者が多様化し、変化し続ける時代では、あたりまえのことです。
市場へのイノベーティブな仕掛けを行い続けることが重要なのです。