
▼ ストラテジー・プランニング
▼ プロジェクト・マネジメント
▼ マーケティング・アウトソース
Copyright © 2005-2009
Pathos Inc. All rights reserved
SFA(Sales force automation:営業支援ツール)や日報制度など、情報共有と称して、管理側の論理で様々な仕組みがセールス部隊には存在する。この仕組にナレッジマネジメントの呼称があったとしても、売上や訪問件数、案件の進捗状況など、営業マンの報告義務を目的としているとしたら、ただのマネージャーのための管理システムに過ぎない。そこには「ナレッジ」と評価できるものはあるでしょうか。
それに対して、マーケティングや企画部門が主導となって行われる情報システムのひとつとして、運営されるナレッジの共有システムがある。社内サーバなどに提案書や事例等が、ぎっしり格納されている。マーケティングや企画部門は誇らしげに、自社のコンテンツやソリューションを語り、自己満足にひたっている。営業マンが必要としているナレッジとは、当然受注活動に有益な情報ということになるが、会社として用意すべきナレッジとは、セールス活動の中で得ていく情報以外の情報ということになる。多くは「顧客関連」情報や「市場」情報、そして「自社コンテンツ」情報となる。
しかし、その多くは、営業マンから、「自分は今そんな状態じゃない」「自分の顧客には合わない」「いつ提案すればいいのか」「誰に言えばいいのか」などと言った、不満が蔓延しているのが現状だろう。要するに営業マンのニーズがほとんど無視されているのだ。「プロセス無視」「顧客状況無視」「対象無視」、この状況の「3大無視」と私は呼んでいる。
この中で、「対象無視」は、そもそもその提案書なりプロポーザルが誰に対して書かれているのかわからない、ということだが、この基本中の基本が不明なドキュメントがかなりの確率で存在している。書き手の基本スキルの問題である。
それに対して「プロセス無視」「顧客状況無視」は営業上の実態がわからないと解決できる問題ではない。ちょっと考えれば判ることなのだが、顧客との関係のプロセスや関係上での状況、顧客自体が置かれている状況で同じ商品でもソリューションの切り口は全く異なる。
まず、セールスプロセスの段階ごとに整理されたナレッジになっているケースが非常に少ない。営業マン自身が自分のおかれている状況を把握できていない。さらに、顧客状況に関するポジショニングが根本的に掛けている。しかも理解しているつもりが、「一度断られていて行きにくい」などといった、あくまで自分の都合による状況の理解にとどまっている。この顧客状況を、顧客の視点にたってみると、「リスク」への意欲、対応力という観点に整理できる。つまりどこまで新しいことにチャレンジできるかという視点だ。例えば、業績も厳しく、まずは問題点の解決をしなければならない顧客に対し、新たなビジネスプランはあまり意味がないし、その逆もそうである。クロージングにおいてもチャレンジングなき行には、「他に例を見ない」となるだろうし、守勢の企業には。「どこもやっている」になるだろう。
このように、提案書ひとつとってみても、営業マンのおかれている状況と顧客がおかれている立場をマトリックスとして意識をしない限り、セールスにとって本当に有益なナレッジとはなりえない。このようにひとつのソリューション、商品だけをピックアップしても6つの切り口が存在し、ツールとして表現しなければならない。当然すべてに対して準備することはできないため、自社の顧客の特徴、営業マンがよくつまづくポイント、成功事例や失敗事例にもとづく仮説の検証など、営業マンの課題を充分に吟味し、ナレッジの構築に取り組むことこそが、これからのナレッジマネジメントの成否を握る鍵となる。